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2015年7月 4日 (土)

「徴兵制はウソ」はウソ~佐藤正久さんは呼吸を吐くようにウソを吐く

ダラダラとニュースサイトを見ていたらこんな記事を見つけた。

「民主党が吹聴する「徴兵制復活」 “ヒゲの隊長”が一刀両断」

要するに、「ヒゲの隊長」としておなじみの自民党の佐藤正久元防衛政務官が「民主党は徴兵制があるなどと言って不安を煽ってるアホ」と言ってるわけだ。

そのニュースサイトと言うのが、産経系の「ニュースまとめ iza(イザ)」。
2015年6月23日の「iza(イザ)」からの記事を引用。

おことわり。この先けっこう長いです。


 安全保障関連法案をめぐる国会攻防で、民主党が「徴兵制の復活」の可能性を持ち出し始めた。軍事的な観点からも合理性が低いとされる徴兵制が、なぜクローズアップされるのか。元陸上自衛隊イラク先遣隊の「ヒゲの隊長」こと、自民党の佐藤正久元防衛政務官が一刀両断した。

 「現代戦において、シロウトが突然加わって部隊で機能を果たすというのは、ほぼ無理な話だ」

 佐藤氏はこう断言する。1960年、福島県生まれ。防衛大学校卒業後、陸自入りした。2007年に退官し、同年の参院選で初当選した。

 「徴兵制」と集団的自衛権の行使容認を結びつける論法は、以前から左派系市民団体が用いてきたが、最近は民主党幹部らによる言及が目立つ。

 岡田克也代表は17日の党首討論で「将来、徴兵制が敷かれるのではという議論がある」と指摘。細野豪志政調会長も21日、自身のHPに「身の丈に合った安全保障政策を 徴兵制について考える」と題した文章を掲載し、「(徴兵制を)真剣に警戒する必要がありそうだ」と訴えた。

 佐藤氏は「民主党が主張しているのは『集団的自衛権の行使を認めれば自衛隊の任務をやりたがる人が減る。だから徴兵制が必要になる』という、極めて粗い論理だ」と指摘し、続ける。

 「穴を掘って近接戦闘で小銃を撃つ、という時代ならいざ知らず、現代戦では、高性能の兵器やシステムを使いこなすことが求められる。高校や大学を出て入隊した若者がこうした域に達するには、大体10年かかる。日本人の価値観に照らしても、徴兵制が受け入れられる土壌はない。徴兵制の導入は非現実的というほかない」

 前出の党首討論で、安倍晋三首相は「憲法(第18条)が禁じる『苦役』にあたる」と徴兵制導入の可能性を明確に否定したが、民主党幹部らの発言は続いている。

 佐藤氏は「民主党は『日本を取り巻く安全保障環境は厳しくなっている』と言いながら、政府案への対案は示さない。それに対する世論の批判をかわすために、徴兵制や、憲法学者による『違憲論』を持ち出しているのではないか。同じ野党でも、維新の党は対案を出そうとしている。政権担当経験がある政党として、民主党はあまりに無責任だ」と語っている。


戦前の軍隊に関する知識がほんの少しでもあれば、これで「『徴兵制はウソ』はウソ」と見抜ける。

「徴兵制はウソ」と言う保守派の決まり文句がここでも出ている。
「近代戦はハイテク戦だから素人の出る幕はない。高性能の兵器を使いこなすには10年はかかる」

全くその通り。だから平時に人員をかき集めて訓練しておく。
そのもっとも分かりやすい例が、日本海軍。

ここに一冊の資料がある。「戦艦大和と艦隊戦史」(新人物往来社)。
日本海軍のたどった歴史と、艦隊生活の様子をまとめたもの。
その本の22Pにこうある。

 とにかく小銃をもって突撃すればいいという陸軍とは異なり、海軍はハイテク兵器である軍艦を操らねばならない。射撃や魚雷発射、機関の運転など、どのパートも熟練が必要である。そこで、海軍の徴兵は三年を現役期間とし、陸軍の徴兵(二年)より一年長くなっていた。

近代化されたハイテク兵器を使いこなさなければならないからこそ、任期を陸軍より長くしていた。
ちなみに海軍志願兵の任期は5年。

「徴兵制はウソ」と言う保守派は「近代戦はハイテク戦だから高度化した兵器を~」なんて言うけど、そもそも兵器は、特に大型の軍艦はその時代の科学技術力の粋を集めたハイテクの塊なわけで、それを使いこなすには当時でもやはり10年はかかった。
だから海軍は本音を言えば全部志願兵で賄いたかったけど、徴兵検査で陸軍から弾かれた者を海軍に回す、なんてこともあったらしい。なので海軍は志願者の家庭には扶助金を与え、志願者は(一応)職種を第三希望まで選ぶことができる、という特典を付けて志願者を多く集めようとした。

そのまま海軍に残ってその兵器を使いこなしたいと思った者は試験を受ける。
試験に合格して下士官に昇進すれば自動的に6年の服役義務期間が追加される。そうなると自然と海軍で10年以上過ごすことになる。

要するに何が言いたいのかと言えば、戦前でも兵器をそれなりに扱いこなすには10年はかかった。それでも徴兵制を採用していたのはどういうことなんだろう?ということ。
とりあえず人を集めるだけ集めておいて、その中から軍人に目覚める者がいればラッキー♪
という思いがあったのは確かだろうな。
志願する側も、どの道兵役に就かなければならないのなら多少は希望を聞いてもらえる志願兵の方がいいという思いもあっただろう。
それを考えれば、「『徴兵制はウソ』はウソ」と分かる。


もう一度、「佐藤正久さんは呼吸を吐くようにウソを吐く」ことの証拠になる一文を載せておこう。
「現代戦では、高性能の兵器やシステムを使いこなすことが求められる。高校や大学を出て入隊した若者がこうした域に達するには、大体10年かかる」

全くその通り。だから平時に人員をかき集めて訓練しておく。
前述の「戦艦大和と艦隊戦史」の108Pから引用しよう。

 元来、海軍という軍隊は戦闘集団ではあるが、基本的にはフナ乗りの集合体。彼らの海上作業は豊富な経験からもたらされるカンと、手さばき体さばきが大事だ。しかも、それは実地からしか体得できない。そこで日本海軍では、兵員の採用に、最低「五年」間は勤務する若くて優秀な志願兵の募集に重点をおいていた。徴兵でも、陸軍より一年長い「三年」を現役義務年限としていた。
 だから、こういうプロ集団へ、いきなり潮気のないシロートを放りこみ、ここで新兵教育を行うとしたら、せっかく効率よく機能している体系を壊してしまうことになる。そこで、一ぺん海兵団で画一化された集中新人教育を実施したのち、各艦船部隊へ配員していたのである。
 だが、海兵団出たての一等兵はフネへ行っても部隊へ行ってもまだまだ新前だ、物の用にたたない。軍艦とか飛行機はその時代の科学技術の粋をあつめたメカのかたまりだ。それを自在に扱っているのは、熟練した下士官や兵ばかりだからだ。

高性能の兵器やシステムを使いこなすには10年はかかる。だから戦前のように平時のうちに人員をかき集めて訓練しておく。そうすれば有事になって招集した時、全くの素人を一から教えるより早いというメリットもある。

この問題を考えるためには、十分すぎる内容と自負している。

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